uzura’s blog

ココロ動くものを書き留める

💐東京バレエ団 ジゼル🪦

こんにちは。

右瑞羅uzuraです。

5月20日(土)に東京文化会館にて行われた東京バレエ団のジゼルを見てきました。

 

実は、私はジゼルは大まかに知っておりましたが初めて全幕を通して劇場で観劇しました。

 

今日はジゼル観劇にて感じたことを、ブログに綴りたいと思います。

綺麗な舞台美術や衣装

幕が開いて第一に思ったことは、舞台美術の美しさ。

紅葉が暖かな黄色やオレンジ色に色づいた森にある村の様子が綺麗でした🍂

 

衣装のデザインも素敵でした。

ジゼルは、一般的な白や青を基調としたロマンティクチュチュですが、スカートがほんのり青みがかってほんとに綺麗。

イメージ通りのそれぞれの役柄の衣装でしたが、こだわりが詰まっている洗練されたデザインのようでよかったです。

 

実は、2021年に舞台装置や衣装が完全一新されていたようで、だから色も鮮やかで魅力溢れていたのかと納得でした✨

 

1幕

1人ひとりの表現から生み出されたジゼルの世界

とっっても、それぞれのキャラクターの演技が自然だったので、物語上の世界観に引き込まれました。

何より、『ジゼル』では貴族と村人というように人々の間に身分が根付いているため、一人一人の役としての立ち振る舞いや演じ分けがとことんなされていました。

ジゼルからは純粋で心やさしき村娘のキャラクター像。

伯爵であるアルブレヒトの結婚相手となっていたバチルド姫を演じた政元絵美さん。貴賓溢るる貴族レベルの高い演技がすごかった…。

踊ることの少ない役でありながら、舞台にいるだけなのに厳かな貴族オーラで場を作っていてさすがでした…👑

何より、村人役一人一人の演技があっての村の場。

 

東京バレエ団の団員の一人一人の意識の高さに圧倒された…。

 

バレエ初心者にも分かりやすいストーリー展開

ジゼルとアルブレヒトによる花による恋占いのシーンを中心とした、演技を見ていて感じたことなのですが、マイムが抽象的すぎないのですごく何を意図しているのかが分かりやすかったです。恵理子さんと弾さんの巧みな演技の賜物とも言えます!

ベンチに腰をかけたジゼルが隣にアルブレヒトに座ってもらえるように、広がっていたスカートの裾を照れつつ自分の元へ手繰り寄せるといった細やかな演技が、ジゼルのピュアな恋心を表現していました。

 

バレエ特有のマイムが存在しますが、初めてバレエを見る人でも意味を感じ取れると思います。ジゼルとアルブレヒトの暖かな時間に微笑むこと間違いなし✨

 

 

ペザント

ペザントは、女性4人男性4人によって踊られました。

男女が組むことで4ペアが踊ることもあれば、男性2人が2ペアでという時もあり、次々に舞台を駆け巡り舞うダンサーのエネルギッシュさにパワーと元気をもらいました。

 

私1推しのダンサーは生方隆之介さんなのですが、ペザントを踊られていました🌟

やっぱり、丁寧でありながらもエネルギーある踊りが魅力的です。

さりげないグランパドシャがパッと華やかによく開いていて、もう本当に素敵でした。

美しすぎるプロポーションを生かしつつ、しなやかで鍛え続けられている身体から繰り出されるパは本当に美しい💭

 

4人の男性ダンサーが最後に決めるポーズも揃っていてかっこよかったです。

 

ジゼル 狂乱

なんといっても、ジゼルの大きな注目点の一つとして狂乱の場が挙げられるでしょう。

アルブレヒトは村の人ではなく伯爵であったこと、実はアルブレヒトには婚約者が存在したことなどからショックを受け混乱し正気を保てなくなってしまうシーン。

 

さっきまで、楽しい雰囲気漂っていた舞台が一変悲劇の場に変化します。

剣を引きずったり、たくさんの村人や数人の貴族の間を駆け巡りながら混乱した果てに母の元へ向かってゆき生きたえてしまう。

心優しくて純粋なジゼルだったからこそ、このシーンは心が痛くて悲しい。

もう、楽しく元気に踊っていたジゼルの笑顔は2度と見ることができません。

 

中島恵理子さんの観客を引き込む演技とても素晴らしかったです。

 

 

2幕

一切の人間味も感じさせない揃い過ぎるウィリたち

本当に、2幕は圧巻でした。

冷ややかに優しく青づかれた舞台照明の中、静かに現れるウィリたち。

顔や手が動けば波紋が広がるように隣のウィリもポーズを変化させる。

アラベスクの角度、高さがみんな同じ。

歩幅や小さな動きにまで神経の行き届いた踊り。

 

まるで、1人のウィリが、鏡だらけの場所で踊っているところを私たちが見ているような感覚に陥るほどに揃っていました。

 

ほんとにほんとに美しいし、揃いすぎていて怖さまで感じました。

 

人間による技とは思えないほどに素晴らしすぎた。

 

これは、コールドを踊る1人ひとりの誇り高さや心を一つに合わせる姿勢、ストイックさがなければ揃った作品を成し遂げることは難しいでしょう。

 

ウィリはたくさんいるのに、ここまで揃えることができるのか…と驚きと感動で心が一杯でした。

 

 

そして、ウィリたちの顔を隠すベールが一斉に舞台袖に引き込まれていくシーンはインパクトが強く霊気を感じました👻💦

 

 

踊りに踊らされ命を削られる男たち

このシーンも個人的にすごく見どころだと思います。

ウィリとなってしまった無表情の少女たちと、無慈悲なミルタによりヒラリオンは死ぬまで踊らされることになります。

このシーンでは踊ることで命が削られ弱ってゆく様が踊りで表現されます。

逃げ場なくヒラリオンを囲み、逆らうことのできない流水のように彼を飲み込んでゆく、そして、ヒラリオン自身は争うこともできずに踊り続けるしかない。

ジゼルでしか見たことはないであろう世界に目が離せませんでした。

操られているかのように踊るヒラリオン(鳥海創さん)の表現力に感激👏

 

アルブレヒトもウィリたちにみつかりミルタに踊らされることとなるわけですが、ジゼルが必死に庇ってくれたこともあり、夜明けまで死んでしまうことなく生きながらえることができた。ジゼルは墓へ消えていった…という切ないストーリー。

ジゼルの心の優しさ、一途さに心打たれます。

 

 

 

浮遊感 ジゼルとアルブレヒトのパ・ド・ドゥ 

アルブレヒト役の塚本弾さんのエスコートのもと踊るジゼル(中島恵理子さん)が本当に幽霊。

リフトの対空時間が長〜くて、地面についたと思ったらまた浮くような踊りに、会場一体が魅了されました。

こんなに生身の人間の力だけで、人間の域を超えた存在を表現できることに驚きです。

 

 

まとめ

ジゼル初めて生で観劇しました。

それゆえに、私にとって強烈な刺激となった舞台となりました。

予想をはるかに超えたジゼルの面白さ、2幕の群舞から醸し出されるウィリたちの美しさなど、たくさんの気づきがありました。

また上演されるときは、もう一度見にいきたいです。

 

東京バレエ団の皆さん、素晴らしい舞台をありがとうございます🙇

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